日商簿記検定試験について

カテゴリー:簿記知識 |

今回は、日本商工会議所主催の簿記検定試験についてお話ししましょう!

検定試験の種類

検定試験の種類は、かねてより年3回実施している統一試験(筆記試験)と、原則として、いつでも受験できるネット試験の2つがあります。ネット試験(3級および2級)は新型感染症の流行により2020年12月からスタートした新しい実施方法ですが、これを機に出題形式の見直しと試験時間の短縮がなされました。

統一試験(筆記試験)

毎年6月、11月および2月の年3回実施してきた筆記試験で、6月と11月は3級から1級まで、2月は3級と2級のみ実施されます。試験問題は毎回作問委員によって作成されるため、前回、前々回の出題問題との比較などによってある程度次の回の出題問題を予想をすることができるという特徴を持ちます。よく直前予想問題などと銘打って書店に並んでいる、あれです。しかし、統一試験は回を重なるごとに難しくなって、最近の2級の合格率は25%前後(20%を割り込むことも多々)と狭き門になりつつあります。

ネット試験(1級は筆記試験のみ)

新型感染症の流行によって統一試験の実施ができない(3密を避けるなど)状態になり統一試験の代替としてスタートしたのがネット試験です。と同時に出題形式の見直しと試験時間の短縮がなされました。この試験は試験データベースの中からAIがその都度問題を抽出し出題されるため予想がつかないという特徴を持ちます。ゆえに全ての出題範囲の理解が要求される試験といえます。また2級の合格率は35%以上と報告されていますので統一試験(筆記試験)よりハードルは低いと考えられます。

出題形式の見直し

実務に即した出題形式に見直しがなされました。PC会計の普及により会計ソフトが自動で実施してくれる作業(例えば、転記や試算表の作成など)は試験範囲から省き、人が判断する内容が濃くなりました。

試験時間の短縮

3級は120分から60分に時間短縮し、問題数は5題から3題に減らしました。2級は120分から90分に時間短縮しましたが問題数は5題のまま据え置きとなりました。

ネット試験は、いつでも受験できるというメリットをもっておりスタートしました。また、残念な結果に終わったときも最短3日後に再チャレンジができる試験でもあります。ただし、2022年4月より筆記試験の前後2週間くらいネット試験の施行休止期間が設定されましたのでご注意ください。

ご注意!

2023年4月1日より東京商工会議所(おそらく横浜商工会議所も)が統一試験を実施しない旨を発表しました。他の商工会議所も追随するかもしれません。スケジュールなどは各商工会議所のホームページなどをご確認ください。