当座預金について(日商簿記ネット試験対策)

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(日商簿記ネット試験3級対策)

日商簿記3級では普通預金、当座預金および定期預金の3つの「預金」について学習します。
日商簿記検定では「預金」=当座預金が最近まで当たり前でしたが、今は「預金」=普通預金!に変わってきました。今回はそんな当座預金についてみていきましょう。

当座預金

銀行預金の一つである当座預金の特徴は、仕入代金などの決済方法として小切手や手形を使うことができることにあります。現金のように自由に支払いに使えることから金利はつきません。また、普通預金のような預金通帳はありませんが電子通帳を使えば受け払いなどの記録を見ることができます。

 小切手や手形にはリスクが

預金残高不足(資金ショート)によって振り出した小切手や手形の支払いができなくなることを「不渡り」といいます。1回目の不渡りを出した後、半年以内に2回目の不渡りを出すと、銀行取引停止処分(2年間)を受けます。これから2年間新たな資金調達が受けることができなくなりますので「事実上倒産」となります。このことを銀行側から見れば、取引先の倒産は自行の顧客を失うことになるため、これを嫌う銀行側が当座預金口座の新規の契約の審査を厳しくするという政策をとっています。検定試験で当座預金より普通預金に関する問題に移行した理由はこのあたりにあるのではないか?より実務に寄せてきている感じがします。

 当座借越契約

上述しました「不渡り」を避けるために用意されているのが当座借越契約です。一定の金額まではマイナス残高(銀行借入)を認めてくれる契約です。担保により限度額は異なります。

 当座預金の仕訳

問1-1 当座預金口座を開設し現金100,000円を預け入れた。同時に限度額500,000円の借越契約も締結した。

※現金と当座預金を仕訳の上で区別するため、今回は現金勘定、当座預金勘定に分けて処理しています。

問1-2 掛代金の支払のため小切手150,000円を振り出して渡した。

※この時点で当座預金は△50,000円(マイナス残高)になりますが、次に入金したときに解消されるので普通に仕訳をしてください。ただし、決算時にマイナス残高のときは、当座借越勘定(負債)または借入金勘定(負債)に振り替えます。

問1-3 掛代金200,000円の回収時に、問1-2で振り出した小切手と得意先振り出しの小切手50,000円を受け取った。

※上記問1-2で振り出した小切手は、振り出したときに当座預金の減少として処理しましたので、戻ってきたときは当座預金の増加として受け入れます(当座借越=マイナス残高)も解消されます。また、得意先は他人ですから他人振出の小切手は現金勘定で処理(現金参照)してください。

※小切手には有効期限があります。小切手発行日の翌日から起算して10日です。実務においては、小切手を受け取ったら早めに取引銀行に取立依頼を忘れないようにしてくださいね!

普通預金に王座を奪われたとしても、当座預金勘定は基本中の基本になりますのでしっかり学習してください。