貸倒れ(日商簿記ネット試験第1問対策)

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売掛金などの債権が回収不能となることを貸倒れといいます。
貸倒れの処理については、期中取引(第1問対策)と決算取引(第3問対策)の2つがありますが、今回は期中取引としての貸倒れの処理についてみていきましょう!

貸倒れの処理

前期以前に販売した売上債権の貸倒れ

問題1)前期に掛販売した商品代金のうち10,000円が回収不能となり貸倒れ処理することにした。
設問1 貸倒引当金残高が12,000円の場合


※貸倒引当金12,000円>回収不能額10,000円 ⇒ 今回の貸倒れは想定内のことである。
よって売掛金と同額の貸倒引当金を取り崩して終了!

設問2 貸倒引当金残高が8,000円の場合


※貸倒引当金8,000円<回収不能額10,000円 ⇒ 想定外の2,000円は貸倒損失勘定(費用)で処理します。

設問3 貸倒引当金の設定がない場合


※貸倒引当金が0円であるから、回収不能額の全額を貸倒損失勘定(費用)で処理します。

当期に販売した売上債権の貸倒れ

問題2)当期に掛販売した商品代金のうち10,000円が回収不能となり貸倒れ処理することにした。


※当期に販売した売上債権には貸倒引当金の設定がなされていないので、例え貸倒引当金の残高があったとしても使用することはできません。よって全額貸倒損失勘定(費用)で処理します。

前期以前に貸倒れ処理した債権の全部または一部が回収されたとき

問題3)前期に回収不能として費用処理された売掛金10,000円のうち5,000円が現金で回収された。


※前期において、(借)貸倒損失 10,000/(貸)売掛金 10,000と仕訳しています。
よって、(借)現金5,000の相手として(貸)売掛金5,000としてしまうと売掛金を二重に削除してしまうことになりますので「償却債権取立益」勘定(収益)として処理します。

このような取引は、一度倒産した会社が以前と同じ業界で再出発(やりなおし)する時などにみられます。ご迷惑をおかけした同業他社にお詫びをし、再度仲間に加えてもらえるようお願いしたうえで、事業を再開するというお涙ちょうだい!的な取引なのです。